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2012年10月12日金曜日

素敵な話

もう半世紀近く連れ添ったご夫婦。

いつも旦那様の運転で奥様をエスコートしていらっしゃいます。

そんなある日、事件が起きました。
奥様は車のドアに手を挟んでしまったのです。奥様の手は腫れあがり、あわてて病院に駆け込んだとのこと。

幸い骨は折れていなかったものの、検査の為に大切な結婚指輪は、病院で切断されてしまいました。


プッツリと切られた「カマボコ形」の結婚指輪。


そのリングを直したいとのことでした。

中に刻まれた刻印は、結婚された日「1965.○.○」 とイニシャルが刻まれていました。

「加工するにあたって、もしかすると元の刻印が消えてしまうこともありえます。」
その旨をお伝えすると、
「何と書いてある?」という話題になり、お二人に年号を読んで差し上げると、結婚当初のエピソード~指輪にまつわる話を楽しそうにお話になる二人の姿がなんともお幸せそう。


内側の刻印は、「1965」の「19-65」という具合に文字の真ん中で切られている。。。
お医者様~ここで切ってしまったか~といっても、急を要することでしたし、外側からなんて、刻印は見ることは不可能なのでしかたありません。


ご夫婦と相談の結果、

●出来るだけ元の形を残すということ。
●奥様のご希望は、自分の誕生石(4月)のダイヤモンドを持っていないので、ダイヤモンドを付けて欲しいということ。
●ずっと身に着けていたいので、引っかかりにくいデザインに!
●デザインはお任せということ


デザインお任せ!嬉しいけど!やっぱりプレッシャー!
いつもより少しお時間を頂いて。。。。

もしも、刻印が消えてしまっても、再度新しく刻む事も勿論出来ます。
消えた場合は新しく刻む事も了解を頂きましたが、、、。

元に書かれたオリジナル文字は、今までの思い出がたくさん詰まっていそう!やっぱり残したい!と、勝手に考え慎重に作業~。

そして刻印も無事綺麗ににつながり完成!

























先日、旦那様に、あと数日で完成です。と、お伝えすると。。。。

「家内には仕上がったことは内緒!ポンと渡したい!」と茶目っ気あふれる素敵な笑顔で答えてくださいました。

あら!なんて素敵なサプライズ!!


後日、完成のご連絡の電話をしたところ、ちょうど一緒に奥様もいらっしゃったらしく、計画は即座にバレテしまったようで、、、。


すぐにお二人で一緒に指輪を迎えに来られました。

指輪をご覧になられた奥様は、とても感激されていて、見ているこちらも嬉しくなります。
早速指輪をはめていらっしゃったので、そのままはめて帰られるのかな?と思っていたら、

「この箱は頂いていいの?」

『はい、どうぞ!』

『お包みしましょうか?』

「包んでくださるの?嬉しいは!!」と目をキラキラさせておっしゃいました。

「お父さん(旦那様)から、ちゃんとプレゼントして欲しいの。」

「はい!おとうさん❤」

リボンで飾られた小さな包みを、旦那様に渡されました。

家に着いてから「セレモニー」をするそうです。


素敵なご夫婦。