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2016年4月15日金曜日

手紙

先日のこと。
よく行くクラフトビールのお店に、地元の大学が刊行した小冊子が置いてありました。
冊子を手に取ったところ、そのクラフトビールのお店の醸造家の方の記事と他数名の方の記事が載っていました。

その中の記事に84歳の方が経営している「河豚料理とおでん」のお店の事が載っていました。

そのお店の存在は以前から知っていたのですが、河豚料理屋さんだし、、、。
古い飲食店街の奥のとっても行きにくい雰囲気を漂わせる場所にあって、、、、誰かに連れて行ってもらわないと、一人ではとても行けない・・・・。という感じです。

でもその小冊子を読んでいて、とーっても興味が湧いたので、、、。
地ビール屋さんの店長(♀)さんにその河豚屋さんについて聞いたところ、おでんが関西風で美味しいよ~!と、店長さんもたまに行くとの事だったので、、、。河豚を食べるには、お財布的に厳しいけど、おでんだったら、河豚料理みたいにびっくりする支払いはないだろう~と思い、行ってみる事にしたのです。。。が、、、。やっぱり一人はなーと思い一緒にカウンターで飲んでいた常連さんに一緒に行きましょうよー!と言ってはみたものの、、、「人を待っているから無理ー」と丁寧にお断りされ、、、。チャレンジャーやな~と・・・送り出してくれました。


河豚料理屋さんは地ビール屋さんから歩いて2分ぐらいのひっそりした飲食店街所の中にあります。
表の通りから覗くと、「おでん」のチョウチンが暗闇の中に赤く光っています。。。。

飲食店街の他のお店はシャッター街?店がしまっているので薄暗く怖いので、若干ビビリ気味で赤提灯目指して急ぎ足でお店に向かいます。

お店の前は以外にも開かれた明るい空間で、ビヤガーデンのように椅子が置かれいました!

入り口の擂りガラスから店内様子を覗くと、冊子に出ていたおじさん!!と、カウンターで私と同じ年齢ぐらいの女性が飲んでいました。「うん!大丈夫そう!」と心で確認。

ガラガラ~とガラス戸を開けて店内に入ると、おじさんが少しだけ硬い表情で迎い入れてくれました。
今まで来たことがない人。しかも女性が1人で来たことに少々違和感があったのかも知れません。
だから席に着く前に、早速冊子を見せて、「これを読んで着ました!!」とお伝えしたところ、、、。

先程の表情が一変!
何ともいえないにこやかな表情を見せてくれました(^^)。


お店の中には、年代ものの河豚の調理師免許、おじさんのお師匠のお写真、お品書き。
決して大きくないカウンターのお店です(2階はお座敷)。
小冊子をきっかけに、お店のお話。おじさんの修行時代のお話。人生のお話。商売のお話。色々とお話をしてくださいました。
それこれお話をしていると、地ビール屋さんのカウンターで一緒に飲んでいた常連さんが他の常連さんと一緒にお店にやって来ました!!そこからまた話が弾み~あっと言う間に時間が過ぎて行きます。

河豚屋のおじさんは修行時代にお師匠さんに趣味を持ちなさいと言われ、書道を始めたそうです。
お手紙を書く時は、ボールペンなど使わずに必ず筆で書くとのこと!しかも、形式はハガキとかではなく、時代劇に出てくるようなパタパタと長い紙を開いていくようなあの形式です。手紙の書き出しは俳句から始まるとの事でした。。。

私はお習字を小学6年生まで習っていたのですが、どんなに頑張っても(つもり)、なかなか進級できず長い間1級止まり。。。。それに嫌気がさして、親に内緒で勝手にお習字教室を辞めました。
私は左利きで、、、。
右で書くには限界があるに違いない!!!と勝手な理由で!!

大人になってみて、字が下手なので、、書道が出来る方はとっても尊敬いたします。

話が脱線しましたが、、、。
時代劇のパタパタと開いていくお手紙なんて、貰った事がない!と思いその場の雰囲気で、おじさんに「お手紙ください!」と言ってみたんです。

帰り際に、名刺を渡し、しつこく「お手紙ください」といったところ、おじさんもご機嫌な様子でお見送りしてくださいました。


そして、2日後。
電話に知らない番号から電話が!?
「手紙を出したから、今日届いているから」と河豚屋のおじさんからメッセージが残っていました!
急いでポストに見に行くと、ちゃんと届いていたのです!!!

キャー!本当にお手紙書いてくれたー!!
もの凄く嬉しくなって、久しぶりに興奮してしまいました!!
































封筒をワクワク・ドキドキしながら開封。

中から手紙を取り出し、パタパタと開きながら読んでいきます。
まるで戦国時代のお姫様にでもなったような気分でした。
感動。

お手紙はおっしゃっていたとおりに、俳句から始まり、先日はありがとうと、お礼と共に、人生のアドバイスが書き添えらておりました。


84歳の方からのお手紙。
言葉の一つひとつに重みがあります。

私の宝物がまた一つ増えたのでした。