「截金(キリガネ)」という言葉の語源【金を截つ(たつ)】となっている作業なので、
いわゆる
~メインイベント!!~
にあたります。
日本画の技術書においてですが。。。
「截金」について調べてみると
「金箔を線や、四角や菱形に截つ(切る)って貼る」
という具合に、技術についてはとても大まかに「ざっくり」記されてる事が多いようです。
もうちょっと書いてあってもいいのに。。。と思うのが個人的意見。
で、、、。
金箔を截っている作業。
金箔は一枚のままだと、截金をするのに扱いが難しいので、自分好み?に数枚を貼り合わせて作った「合わせ箔」を使います。
金箔は金属の刃物を使って切ると静電気がおきて、金属の刃物に箔がくっ付いて上手く切ることができません。
金箔は「竹刃」という竹で出来た刃物を使います。
金箔が載っている白い道具は、「鹿台」と言って、鹿の皮で出来た金箔を切るための「まな板」のようなもの。。。
金箔を截って(切って)いて思うのですが、
一番重要な道具は「竹刃」かな?と。。。
竹刃の「刃」の出し具合で、金箔が上手く切れたり、切れなかったり。。。
竹刃はたくさん持っているのですが、「刃」の出し方が上手くいっていないのは、ほぼ出番がありません。
素材が「竹」と言っても「刃物」なので、使っていると切れ味が落ちていきます。
だから自分で刃出しをします。
これが、結構難しい。。。。
最近は金箔を切るより難しいと感じるほどです。
「刃出し」は竹刃を小刀でそぐ様に、一気に切って刃を作ります。
竹刃 |
非常に解り難い感覚的表現ですが、、、。
金箔を截つ時は、「切る」というより、竹の繊維を使って「金箔を崩す」という感覚なんです。。。
そして更にマニアックですが、、、。
金箔を截つのを失敗して、もう一度同じところに刃を入れなおすと、「金属硬化」をおこして截ち難くなります。
“金箔も金属なんだな~”
と貴金属加工をする観点から思う瞬間。金箔って面白い♪
だから、竹刃は竹の繊維を出すような感覚で刃を作っています。
「刃出し」は一回で上手く出来たり!
何回やってもダメだったり。。。
そんな時は「竹刃」がみるみる瘦せ細って行くのでショックです。
細く截った金箔を、きれいに並べるように箱に納めて材料の完成です。
この材料が次に登場するのは着彩後の最終工程。
完成した絵に截金を施すときに。。。待っててね♪