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2013年11月19日火曜日

お祖母さんの大きな古時計

私の実家は明治時代から続く時計屋さん。
昔から家には「大きな古時計」がありました。

いつからあるか分からない大きな古時計。

鍵のようなモノで振り子を巻き上げて動かします。

3年前の地震の時に、倒れて壊れてしまい動かなくなりましたが、どうにか修理して再び動くようになりました。

この時計は高さが3m近くある漆黒の時計で、深彫りの彫刻がしてあります。

小さい頃は「大きな古時計」の歌は、家にあるこの時計と信じていました。
(昔テレビで、この歌が外国の歌だと知ってちょっとガッカリしたのを覚えています。)

朝と夜に響く音でカンカンと鐘がなります。

一日2回。毎日ネジを巻き上げます。
古いので、たまに時間がズレることもあって、針を手でグィッと動かして合わせたり。


祖母は何があってもこの時計は担いで逃げるから!!と言っていた程に大切な時計。
でも実際は大きすぎて、祖母には。。。誰も担げないよ。。。


数日前にあった比較的大きな地震でまたこの時計が倒れてしまいました。

今度は2度目のダメージが大きかったのか。。。動きません。
100年以上動いている時計だったのに。。。

そしてその大きな古時計が動かなくなった数日後。
施設で生活していた祖母が旅立ちました。

100歳と3週間。
大往生です。

祖母は私にいろいろと大切な事を教えてくれました。

いろんな事に興味・関心が強く。多趣味で頑張り屋で、負けず嫌いで、粘り強い祖母でした。

90歳になった時には、「こんなところにシミが出来た!!」と嘆き、周囲の人間は90歳なんだからあたりまえだよ~と思っていたのですが、、、。
祖母は一人で病院に行き、レーザー治療で、シミをとって帰ってきたとか!!

葬儀の日にそんな話を聞いてびっくりです。

その甲斐あって、亡くなった後のお顔は本当に美しく、驚くほどお肌がツルツルで、家族・親戚中の誰もがコラーゲン注射をうったのではないか?と疑う程。
100歳とは思えない程、本当に美人さんでした。

そして「大きな古時計」の歌詞を改めて読み返しました。


大きなのっぽの古時計 おじいさんの時計
  百年いつも動いていた ご自慢の時計さ
  おじいさんの生まれた朝に 買ってきた時計さ
  今はもう動かない その時計
  百年休まずに チクタクチクタク
  おじいさんと一緒に チクタクチクタク
  今はもう動かない その時計

 (2) 何でも知ってる古時計 おじいさんの時計
  綺麗な花嫁やってきた その日も動いてた
  嬉しいことも悲しいことも みな知ってる時計さ
  今はもう動かない その時計


  嬉しいことも悲しいことも みな知ってる時計さ
  今はもう動かない その時計

 (3) 真夜中にベルが鳴った おじいさんの時計

  お別れの時が来たのを 皆に教えたのさ
  天国に昇るおじいさん 時計ともお別れ
  今はもう動かない その時計
  百年休まずに チクタクチクタク
  おじいさんと一緒に チクタクチクタク
  今はもう動かない その時計
  今はもう動かない その時計



2番の歌詞に出てくる「綺麗な花嫁」はきっと祖母。
やっぱりこの歌は実家の「大きな古時計」の歌!?

「お祖母さんの大きな古時計」です。